クラロワの公式eスポーツ大会であるクラロワリーグは、11/24(金)から26(日)にかけて今年の世界一決定戦が行われ、日本のMugi(むぎ)選手が優勝しました。
本記事ではこの世界一決定戦について大会結果などをまとめたいと思います。
【更新履歴】
[2023/11/30] カード統計の章を追記

目次
各種リンク
今回のクラロワリーグ世界一決定戦(以降「本大会」と記述)に関係するリンク集です。
クラロワeスポーツ公式(英語/グローバル)
Clash Royale Esports @EsportsRoyaleEN
- 公式サイト esports.clashroyale.com
- YouTube
@EsportsRoyale
クラロワ 日本語公式
クラロワ公式 @ClashRoyaleJP
クラッシュフェス 特設サイト
- クラッシュフェス event.clashroyale.com
配信
本大会の配信は、英語による本放送が公式YouTubeチャンネルで行われ、それ以外の言語の放送は各地域のクリエイターのチャンネル(YouTube、Twitch等)にて行われました。
ここでは本放送(英語)と日本語放送の配信アーカイブのリンクを掲載します。
Day 1
Day 2
Day 3
ミラー配信
その他に公式の許可を得てたぁさんがミラー配信を行っていました。デッキの予想やデッキ相性などの深い部分の解説も聞きたい場合はこちらもおすすめです。
事前記事
大会前に書いた世界一決定戦に関連する記事です。ご参照ください。
結果(トーナメント表)
本大会は16名によるダブルエリミネーション形式(敗者復活あり)のトーナメント戦で行われました。
試合結果を含めたトーナメント表を作ってみました。

Upperブラケットの決勝でPedro(ブラジル)に敗れたMugi(日本)でしたがLowerからグランドファイナルに上がり、Pedroに2試合連続で勝利して優勝となりました。
Mugiはクラロワリーグが個人戦になった2021年に世界一となり、昨年の4位を挟んで今回で2度目の王者となりました。
準優勝はPedro。3位にも日本のPANDORAが入りました。
Day1
ここからは筆者が特に印象に残った試合について書き記したいと思います。
[M1] airsurfer vs Mohamed Light
[M1] はMatch1を意味し大会トータルで何試合目かという数字。Day2以上はその日の何試合目かも併記。

[Game2]
対空(空ユニットに対して攻撃できるカード)がほぼアーチャーのみのLightに対し、airsurferはアーチャーに効果的な矢の雨入り。これでバルーンの攻撃が刺さった。
前回王者のLightが敗退するという番狂わせから今年の世界一決定戦は始まった。
[M2] Faust vs Higher

[Game1] Faustは序盤にメガナイトで攻めるがHigherはタワーダメージを許容して逆にメガナイトで反撃。橋前ナイトも合わせてタワーを折り切った。
[Game3] Higherは見習い親衛隊にウォールブレイカー(WB)やゴブリンバレル、吹き矢ゴブリンを組み合わせた呪文枯渇要素が多いデッキ。本大会通してノーマルの枯渇デッキは使われず、ゴブリンバレルを使用したのはHigherただ一人となった(この後もう一戦で使用)。
[M5] PANDORA vs Wallace

[Game3] スケルトンなどHPの低いユニットが多いWallaceのデッキに対してPANDORAのマザーネクロマンサーが有効に働いた。
[M7] RUBEN vs Pedro

[Game1] 迫撃ディガポイのスペシャリストであるPedroに対しRUBENは全く同じデッキを使いミラーマッチとなった。RUBENは試合開始早々に「攻め迫撃」を建ててから次々とユニットを追加して迫撃砲を延命。開始30秒でPedroのタワーのHPの1/3を削った。最後はPedroの限界突破迫撃砲がタワーに入りギリギリの勝負となったがRUBENが勝利した。
[Game2] RUBENは序盤から親衛隊+ホグで積極的に攻めPedroのタワーに致命傷を負わせる。Pedroもフェニックスとスケルトンキングでカウンター攻撃。スケルトンキングのスキル「ソウルコール」と卵から蘇ったフェニックス(実況「ハッピーバースデー」)の攻撃でRUBENのタワーを折り切った。
[M8] Morten vs Samuel Bassotto

[Game1] タワーダメージはSamuelが取り続ける展開。サドンデスに入り、どちらか先に相手タワーを壊した方が勝利になる状況の中、SamuelのアースクエイクとMortenのゴブジャイアントの攻撃により両者のタワーが同時に破壊する珍しい「同時落とし」が発生。結果はタイブレークによりMortenが勝利。
Day1は昨年準優勝のMortenが2連敗して大会を去るという波乱があった。
Day2
[M16(M4)] Samuel Bassotto vs Pedro

[Game2] Pedroの再三のゴブジャイアント、スパーキー、限界突破ナイト、ガーゴイルなどでの猛攻をSamuelは的確な防衛でしのぎ、ロイヤルホグで稼いだダメージで勝ち切った。
[M21(M9)] RUBEN vs Ardentoas

[Game1] Ardentoasがアーチャーやローリングバーアリアンを出したのを見ると、RUBENはナイトとベビドラ、ローリングバーアリアンに合わせてスケルトンラッシュを放つ。その後Ardentoasが防衛に出した墓石はリトルプリンスのスキルで一掃。開始1分でRUBENはタワーを折って勝負あり。
[M22(M10)] Adriel vs Mohamed Light

[Game1] Adrielはモンクの後ろに限界突破ロイジャイを付けて攻撃。Lightはスケルトンで反対側にモンクを寄せて限界突破アーチャーでロイジャイに攻撃するが、アーチャーの攻撃も防衛に出したボムタワーの攻撃も全てモンクのスキルによって反射されてしまう。そのままAdrielはタワーを折った。
前年王者のLightはTop8、2日目での敗退となった。
Day3
[M25(M3)] Adriel vs airsurfer

airsurferはGame2ではスキルを打ったモンクにローリングウッドを流してキング起動。Game3でもゴブジャイアントをトリトンで引っ張ってキング起動。これによって防衛が固くなったairsurferは2Game連取し、逆転勝利。
[M27(M5)] PANDORA vs airsurfer

[Game1] PANDORAは逆サイドの限界突破ロケット砲士をインフェルノタワーに当ててタワーダメージを稼ぐなどし、airsurferより先にタワーを折って勝利。
[Game3] airsurferがダメージリードを取り続ける展開。残り1分、ゴブジャイアントに対してairsurferはボムタワーを高めに置くが、それに対しPANDORAはメガナイトを川越しでジャンプさせ破壊。そのままレイジ、ガーゴイルを加え、タワーを折り切った。
[M30(M8)] Mugi vs Pedro

[Game2] ゴブジャイアントとメガナイト、ゴブジャイアントとボウラーの組み合わせはよくあるが、Mugiはその3つが全て入った異色のデッキ。ダメージリードはPedroが取った状態で残り30秒。Mugiは左サイドにゴブジャイ+ボウラー。右サイドにトリトン。そして自陣中央で防衛に使いHPが増えた限界突破コウモリが両サイドに襲いかかる。この両サイド攻撃でダメージを逆転したMugiが勝利。
[M31(M9)] Mugi vs Pedro

[Game1] Pedroの伝家の宝刀である迫撃ディガポイに対し、Mugiはしっかり相性が取れるゴブジャイメガナイトデッキで対抗。
[Game2] MugiはPANDORAが本大会愛用した親衛隊ラムデッキ(ファイアボール→ポイズンの違いあり)を使用し、勝利。本大会の優勝を決めた。
最終結果・賞金
世界一決定戦での賞金総額は90万ドル。これは下記のように分配されました。
順位 | 選手 | 賞金(ドル) |
---|---|---|
優勝 | Mugi(日本) | $250,000 (約3700万円) |
準優勝 | Pedro(ブラジル) | $125,000 |
3位 | PANDORA(日本) | $80,000 |
4位 | airsurfer(アメリカ) | $65,000 |
5、6位 | adriel(ドミニカ共和国) RUBEN(スペイン) | $50,000 |
7,8位 | Mohamed Light(エジプト) Ardentoas(メキシコ) | $40,000 |
9~12位 | Samuel Bassotto(ブラジル) Vitor75(ポルトガル) Wallace(ブラジル) Higher(中国) | $30,000 |
13~16位 | Faust(ドイツ) Sosaa(ドイツ) Not afRaid(中国) Morten(ドイツ) | $20,000 |
※日本円は本記事執筆時点での149円/ドル換算
戦いを終えた選手
本大会を終えた時の選手のツイートや、その後アップされた動画、選手の写真などをここに掲載します。
【優勝】Mugi(むぎ)

【準優勝】Pedro

【3位】PANDORA
【クラロワ】CRL World Finals 3位フィニッシュ!振り返り!
【4位】airsurfer

【Top6】adriel
【Top6】RUBEN
【Top8】Mohamed Light
【Top8】Ardentoas
【Top12】Samuel Bassotto
【Top12】Vitor75
【Top12】Higher
【Top12】Wallace
【Top16】Faust
【Top16】Not afRaid

【Top16】Morten
日本選手のインタビュー
試合で勝った選手には勝利者インタビューがありましたが日本語放送ではその部分の音声は入りませんでした。日本選手が勝利した際のインタビューを聞けるよう、本放送アーカイブの時間指定のリンクを掲載します。印象的な言葉も付けます。
Day 1
[M3] Mugi – adriel (1:19:07)
「すごい緊張していましたがなんとか乗り越えました」
[M5]] PANDORA – Wallace (2:02:25)
「いつも通りのプレイができて良かったです」
Day 2
[M14] Mugi – Ardentoas (54:56)
「台に手を付いて気持ちを落ち着かせています」
[M15] PANDORA – Vitor75 (1:16:43)
「橋前進化アーチャーは刺さるという感覚があって思って気付いたら出してました」
Day 3
[M23] Mugi – airsurfer (30:32)
「後ろからホグを出すことで2周目を刺す感じを意識してました」
[M26] PANDORA – RUBEN (1:47:29)
「(ロイジャイデッキに)レイジは気持ちいいので使いました」
[M27] PANDORA – airsurfer (2:25:24)
「(仲の良い)airsurferの分も自分が優勝しようと思います」
[M29] Mugi – PANDORA (3:08:21)
「ブロスタ(同じ日に開催されている世界一決定戦)を見たのでクラロワに勝てたと思います」
「賞金より自分は名誉が欲しいので2回目の世界一を狙います」
[M31] Mugi – Pedro (優勝インタビュー) (4:09:32)
「(賞金で何か買うなら?の質問に)そちらにいる日本の応援団と一緒に焼肉に行きます」
「(来年は?の質問に)もちろん優勝します」
カード統計
本大会では31Match(31回のデュエル)が行われ、Game数は74でした。つまり使われたデッキは148。このデッキと使われたカードを調べてみました。
まずは主軸・準主軸です。
黒字が使用率、赤字が勝率です。青字は限界突破と非限界突破を合わせた使用率です。使用率0.7%が1回使われた数字です。

使用率No.1はディガーの29.7%。ディガポイ(ディガー+ポイズン)の他、ディガーバルーンも見られました。
勝率No.1は限界突破ロイヤルジャイアントの81.8%(9勝2敗)。限界突破迫撃砲、ゴブジャイアント、メガナイトが続きます。
次にユニット(主軸系を除く)です。
使用率が高かったものがこちら。

使用率が低かった(使われなかった)のがこちら。

ゴーレムとラヴァハウンドの両方が一度も使われなかったのは意外です。個人的には三銃士も見たかったですが使われなくて残念です。
大会を盛り上げた音楽
選手紹介や選手入場の時に流れたかっこいい曲は下記の曲です。
doomsdaycult – Free (OFFICIAL MUSIC VIDEO)
また、昨年の世界一決定戦で使われた大会テーマソング「Clash Tonight! (Clash Fest)」もDay3の最後に流れました
4:15:03頃からこの曲とともに大会を振り返るシーン集が流れる。
ハイライト動画
公式が本大会のハイライト動画をアップしています。
CRL World Finals Highlights 2023
Supercellの記事
本大会は、同じ3日間の間、同じ試合会場でクラクラ(クラッシュ・オブ・クラン)の世界大会と時間を分けて行われました。これはClash Fest(クラッシュフェス)という名前のイベントとして行われたことになります。
また、同じ3日間、場所は異なるもののブロスタの世界一決定戦も行われました(Clash Festはフィンランド、ブロスタはスウェーデン)。
これらの3つのゲームの世界一決定戦の結果を伝える記事が開発元であるSupercellのHPに掲載されています。
Congrats to the new World Champions!
最後に
昨年準優勝のMortenは初日に、昨年優勝のMohamed Lightと3位のSamuel Bassottoは2日目で姿を消すという荒れた展開になった今年の世界一決定戦。
そんな中で栄冠を手にしたのは優勝経験者であるMugiでした。
あと一歩の所まで行って惜しくも優勝を逃した若きスターPedroですが、本大会の経験は彼を一回りも二回りも大きくすることでしょう。
PANDORAは2021、2022と2年連続で世界一決定戦で進むも勝ち星をあげることができていませんでした。それが3度目の正直と言わんばかりに今年は3位という好成績。今年戦う姿には自信と落ち着きが満ちているように見えました。

Day3の放送の最後には「CRL WILL RETRUN IN 2024!」(2024年に戻ってきます!)の文字が映し出されました。来年も何らかの形でクラロワリーグは開催されると思います。
また来年もベテランとニュースターが入り混じって戦う熱い世界一決定戦が開かれることを期待したいと思います。
今年のクラロワリーグお疲れさまでした!!
以上です! Enjoy クラロワリーグ!
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