クラロワリーグは今年も開催されます。
本日、今年のクラロワリーグについてのルールブックが公開されました。本記事ではこのクラロワリーグ2024（以降「本大会」と記述）がどういう大会なのか？という点についてまとめてみたいと思います。
【更新履歴】
[2024/03/22] 本記事を投稿
[2024/03/30] 英語以外のルールブックが公開されたので追記
目次
情報源
本大会を理解する上での情報源となるリンク等を紹介します。
公式サイト・SNS
クラロワeスポーツ 公式サイト
Clash Royale Esports esports.clashroyale.com
クラロワeスポーツ 公式Twitter
Clash Royale Esports @EsportsRoyaleEN
クラロワ 公式Twitter
クラロワ公式 @ClashRoyaleJP
日本語の公式Twitterです。
CRL情報の記事
CRLの情報に関しては、2/16(金)に第一報が入り、3/22(金)にルールブックを含む詳細が公開されました。
2/16 公式サイト
【日本語版】ゲーム内クラロワニュース「クラロワリーグが今年も開催！」という記事
3/22 公式サイト
CRL24： Everything you need to know!
ルールブック
[2024/03/30] 日本語（英語以外）のルールブックが公開されたので更新しました。（公式によるXポスト）
【英語】supr.cl/Rulebook_CRL24 (PDF)
【日本語】supr.cl/Rulebook_CRL24_JA
→ うまく開けない場合はこちらのリンクで
本記事では、主にこのルールブックを見て本大会の内容をまとめました。
【注意】ルーブルックは今後改訂されて内容が変更する可能性があり、本記事の内容は古くなる可能性があります。それも含め本記事の内容には間違いや足りない情報がある場合がありますので、選手として参加される方は特に最新のルールブックを確認するようにしてください。
大会概要
クラロワリーグ（Clash Royale League / CRL）は2018年から始まり毎年行われているクラッシュ・ロワイヤル（クラロワ）の公式eスポーツ大会です。
2020年まではチーム戦でしたが、2021年以降は個人戦となっています。
世界一決定戦への出場枠
本大会の最後の舞台である世界一決定戦に出場できるのは8名の選手です。
その内訳はこのようになります。
- メイン／グローバル : 7名
- 中国 : 1名
中国のみクラロワのサーバーが分かれているので、予選にあたる大会を一緒に行うことができず、別枠扱いとなります。
本記事では本大会のメイン（中国以外）の部分について見ていこうと思います。
ゴールドチケット
世界一決定戦への出場権のことはゴールドチケット（Golden Ticket）と呼ばれます。
7枚のゴールドチケットの内訳は下記のようになります
- CRLシーズンでの優勝者（5名）
- CRLポイントランキング1位の選手（1名）
- コミュニティポイントランキング1位の選手（1名）
それぞれはこれ以降で詳しく解説します。
5回のシーズン
月単位でシーズンという戦いが行われます。これが5回行われます。
各シーズンの優勝者がゴールドチケットを獲得します。
本記事では「CRLシーズン」という呼び方もすることにします。
シーズンの内容
毎月のシーズンは下記の構成です。
- 伝説の道レース（マルチ）
- マンスリー戦 (*)
- マンスリー予選
- Day 1: スイス式
- Day 2: グループ戦 (*)
- マンスリー決勝
- マンスリー予選
(*)筆者が本記事での説明用に付けた名称
まず、マルチの上位1000名がマンスリー予選にエントリーする権利を得ます。
マンスリー予選のスイス式では32名、グループ戦では8名に絞り込まれ、8名によってマンスリー決勝が行われます。
大会ハブ・対戦形式
マンスリー戦は全てゲーム内の大会ハブ（Tournament Hub）を使って行われます。大会ハブとはゲーム内に実装されている大会管理システムです。
大会ハブ内で、マンスリー予選へのエントリー、大会へのチェックイン、試合へのチェックイン、試合、観戦など全てが行われます。
また、マンスリー戦の対戦形式は全てデュエル（Duels）です。
デュエルとはカードのカブらない最大3つのデッキを使って行うBO3（3Game勝負）のことです。
今年のデュエルはGame間にデッキの組み換えができるマニュアルデュエル(*)です。
(*)筆者が付けた名称。Normal Duelという表記も見られる。
昨年のCRLではGame間のデッキ組み換えができない「ゲーム内デュエル」が採用されていました。
【用語】デュエルの対戦自体をMatchと呼び、デュエル内の各対戦をGameと呼びます。
参加資格
本大会の参加資格は下記のようになります。
年齢
16歳以上（マンスリー予選へのエントリー締め切り時点）
居住地
居住地のアプリストアでクラロワがダウンロードできる国に居住している必要があります。
アカウント
利用規約に違反していないクリーンなアカウントで参加すること。
カレンダー
クラロワリーグの日程が分かるようにカレンダーを作ってみました。
マルチのシーズンが終わってからマンスリー予選、マンスリー決勝が行われるまでの日数は固定されています。
伝説の道レース
ここからは本大会内の各段階について詳しく見ていきましょう。
CRLシーズンの始まりである伝説の道（Path of Legends）はいわゆるマルチと呼ばれているゲームモードです。
クラロワ内シーズンの最終順位で1000位以内（1000位タイも含む）に入ることで、次の段階であるマンスリー予選に進むことができます。
マンスリー予選
マンスリー予選（Monthly Qualifier／MQ）から大会ハブ内で行われます。
マンスリー予選は2日間、Day1とDay2を異なる形式で行います。
エントリー
マンスリー予選に参加するにはエントリー（Registration / 参加登録）が必要です。
毎月の伝説の道での戦いが終わると、Top1000のプレイヤーにゲーム内メッセージが届き、そこからエントリーできます。
エントリー受付はマンスリー予選Day1開始の遅くとも72時間前に開始します。忘れずにエントリーしましょう。
Day 1: スイス式
マンスリー予選のDay1はスイス式（Swiss）で行われます。ここでの上位32名がDay2に進みます。
タイムスケジュール
Day1当日のタイムスケジュールです。
| 内容 | UTC | 日本時間 |
|---|---|---|
| 大会チェックイン(*)開始 | 11:30 | 20:30 |
| エントリー＆大会チェックイン締切 | 13:30 | 22:30 |
| 1試合目開始 | 14:00 | 23:00 |
(*)その日のチェックイン（参加意思表明）
大会チェックインとは別に、スイス式の試合（ラウンド）ごとのチェックインが必要です。こちらは各試合の開始前の5分間チェックインが可能となり、チェックインが行われないとその試合は負けとなります。
スイス式
スイス式とは簡単に言うと次のような競技形式です。
- 選手全員が同じ試合数戦う
- 2戦目以降は勝利数が（極力）同じ選手同士の対戦となる
- 1度対戦した相手とは2度と対戦しない
試合数（ラウンド数）
参加人数に基づいて変動しますが、最大で11試合です。
タイブレイカー
順位は勝利数が多いほど高くなりますが、同じ勝利数で並んだ場合は下記の順に見て、数値が大きいほうが高い順位となります。
- (自分のGame勝率 + 対戦相手のMatch勝率) ÷ 2
- 自分のGame勝率
- 対戦相手の対戦相手のMatch勝率
（0.33より小さい場合は0.33として計算されます）
ざっくり言うと、同じMatch勝利数でも、Game勝率が高い方が有利となり、強い（成績の良い）相手と戦ってきたケースほど有利になるということです。
参考記事
スイス式については2021年にも下記記事で詳しく書きました。今回と異なる点もあると思いますが参考までに。
Day 2: グループ戦
マンスリー予選のDay2はグループ戦（Double Round Robin: ダブル総当たり戦）です。
タイムスケジュール
時間はDay1と同じです。
| 内容 | UTC | 日本時間 |
|---|---|---|
| 大会チェックイン(*)開始 | 11:30 | 20:30 |
| 大会チェックイン終了 | 13:30 | 22:30 |
| 1試合目開始 | 14:00 | 23:00 |
(*)その日のチェックイン（参加意思表明）
概要
32名が4名から成る8つのグループに分けられ、各グループで総当たり戦を2回行います。
つまり選手は3人相手に2回ずつ戦い、合計6試合行うことになります。
各グループで1位となった選手が最終段階（マンスリー決勝）へ進みます。
グループ分け
選手はCRLポイントランキングの順に下記のようにグループ分けされます。
| G1 | G2 | G3 | G4 | G5 | G6 | G7 | G8 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 16 | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 |
| 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
| 32 | 31 | 30 | 29 | 28 | 27 | 26 | 25 |
タイブレイカー
順位は勝利数が多いほど高くなりますが、同じ勝利数で並んだ場合は下記の順で順位を決めます。
- 直接対決の結果
- Game勝率の高い方
- 別途対戦を実施
3の対戦は、2人の場合は直接対決、3人での実施となった場合はトーナメントが組まれます。トーナメントのシード順はDay1の順位によって決まりシード順1位の選手は1回戦が不戦勝となります。
マンスリー決勝
マンスリー決勝（Monthly Final／MF）は、8名がダブルエリミネーション方式（敗者復活あり）のトーナメントで対戦します。
優勝者(*)はゴールドチケットを獲得します。
(*)ゴールドチケット獲得者も残りのCRLシーズンに参加できるので、正確には「ゴールドチケット未獲得者の中での最高順位の選手」がゴールドチケットを獲得します。
開始時間
マンスリー決勝は1日間行われ、各日、日本時間23:00（UTC14:00）の開始となります。
配信・観戦
マンスリー予選
マンスリー予選は公式の配信が行われるかどうかは現時点で不明です。複数の試合が同時に進行するので、過去の例から、配信されたとしても、公式に許可を受けた複数のストリーマーが観戦配信する形になるのではないかと予想されます。
参加選手は自分視点の画面のみ配信可能です。この場合配信は自己責任となります。配信を行う場合は配信を通して使うデッキがバレないようにするなどの対策を考えるべきでしょう。
また、試合を見たい人は大会ハブから好きな試合を観戦することが可能になると思われます。
マンスリー決勝
マンスリー決勝は公式の配信が行われます。
出場選手はWebカメラの使用が義務付けられます。
CRLポイント
選手はシーズンのマンスリー予選とマンスリー決勝の戦績によりCRLポイント（CRL Points）を獲得します。
マンスリー予選
マンスリー予選では、Day1、Day2ともに、各マッチに勝利するごとに5ポイントを獲得します。
Day1のスイス式で最大の11試合が行われた場合だと、選手はDay2と合わせて最大17試合（11 + 3×2）行い、最大で85ポイント獲得できることになります。
マンスリー決勝
マンスリー決勝では順位に応じて大会ポイントを獲得します。
| 順位 | 獲得ポイント |
|---|---|
| 1位 | 100ポイント |
| 2位 | 80ポイント |
| 3位 | 65ポイント |
| 4位 | 50ポイント |
| 5～6位 | 40ポイント |
| 7～8位 | 30ポイント |
CRLポイントランキング
獲得した大会ポイントの累計によりCRLポイントランキング（CRL Leaderboard）が決まります。
全てのCRLシーズンが終了した時点でランキングの1位（CRLシーズンでゴールドチケットを獲得した選手は除く）の選手がゴールドチケットを獲得します。
タイブレイカー
大会ポイントが並んだ場合、下記の順で順位を決めます。
- マンスリー決勝での勝利数の合計
- マンスリー決勝で獲得したCRLポイントの合計
- 全ての伝説の道シーズンの順位の平均（1000位以下は1000位で計算）
賞金（CRLシーズン）
マンスリー決勝に進んだ選手は順位に応じて賞金を獲得します。
| 順位 | 賞金 |
|---|---|
| 1位 | 17,000ドル（約258万円） |
| 2位 | 11,000ドル |
| 3位 | 8,000ドル |
| 4位 | 5,000ドル |
| 5、6位 | 3,000ドル |
| 7、8位 | 1,500ドル |
コミュニティポイントランキング
コミュニティポイントランキング（Community Points Leaderboard）で1位になった選手がゴールドチケットを獲得します。
開催時期など不明な点が多いですが、複数のコミュニティ大会が対象になると思われます。
各コミュニティ大会で獲得できるポイントは下記のように公開されています。
獲得ポイント
| 順位 | 獲得ポイント |
|---|---|
| 1位 | 100ポイント |
| 2位 | 80ポイント |
| 3位 | 65ポイント |
| 4位 | 50ポイント |
| 5～6位 | 40ポイント |
| 7～8位 | 30ポイント |
| 9～12位 | 20ポイント |
| 13～16位 | 10ポイント |
タイブレイカー
ポイントが並んだ場合、下記の順で順位を決めます。
- コミュニティ大会での勝利数の合計
- CRLポイント
- 全ての伝説の道シーズンの順位の平均
ゴールドチケットの優先順位
ゴールドチケットを獲得する条件が3つありますが、優先順位は下記のようになります。
CRLシーズン優勝者 > CRLポイントランキング1位 > コミュニティポイントランキング1位
世界一決定戦
世界一決定戦は8名の選手が参加し実施されます。
対面式で戦うオフラインイベントになる予定です。
11月の開催と発表されていますが、それ以外の情報はまだ公開されていません。
昨年との違い
昨年のクラロワリーグとは、全体の流れ自体は似ていますが、下記の違いがあります。
世界一決定戦の出場枠とゴールドチケット
| 種類 | 昨年 | 今年 |
|---|---|---|
| 出場枠（下記合計） | 16 | 8 |
| 毎月の優勝者 | 7 | 5 |
| CRLポイント上位 | 7 | 1 |
| コミュニティ大会 | 1 | |
| 中国枠 | 2 | 1 |
16人から8人と半減し、狭き門となりました。それに応じて毎月の大会は7から5に減りました。
コミュニティ大会からゴールドチケットが出る点も変わりました。
デュエル形式
先述しましたが、昨年はGame間にデッキの組み換えができない「ゲーム内デュエル」が採用されましたが、今年はデッキの組み換えができるデュエル（マニュアルデュエル）に変わりました。
賞金が出る順位
昨年は毎月の大会で、32位以内から賞金が出ました。今年は8位以内に入った選手のみが賞金を獲得できます。つまり、マンスリー予選のDay2に残った選手に出ていた賞金が、Day2を通過してマンスリー決勝に進んだ選手のみに出るように変わったということです。
最後に
世界一決定戦の出場枠が減り毎月の大会も減った。これは明らかに大会規模の縮小です。
これは寂しいことですが、コミュニティポイントランキングもゴールドチケット獲得条件に加えたことから、コミュニティ大会もひっくるめて盛り上げていこうという意図も感じられます。
クラロワリーグ自体の性格や存在意義みたいなものが、多くの人に開かれたオープンな大会というものから、トップ中のトップの実力者達による凝縮された大会というものにシフトしつつあるのかも知れません。
1人の視聴者としてはそれはそれで良いのですが、ライトな競技プレイヤー層が参加する大会が（コミュニティ大会も含めて）減っていくのならその点は残念に思います。
マルチのTop1000には日本のプレイヤーが常に1/6前後存在するのでクラロワリーグが変わることは日本のプレイヤーにとって影響が大きいんですよね。今年クラロワリーグへの参加人数がごそっと減るんじゃないかと心配はしています（参加人数が減ればその分勝ち上がれるチャンスも増えますが）。
—-
また追加で情報が公開したらできるだけ本記事に反映したいと思います。
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以上です！ Enjoy クラロワリーグ！
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