目次
きっかけ
つい先日、YouTubeから「YouTubeの重要な変更に伴うお願い」というタイトルのメールがきました。
このたび、YouTubeでのお客様の収益化とコンテンツの見つけやすさに影響する可能性のある重要な変更が行われることになりましたのでお知らせいたします。
という重々しい文面がありました。また、
本日より、児童オンライン プライバシー保護法(Children’s Online Privacy Protection Act、COPPA)やその他の関連法の遵守義務を果たすため、コンテンツが子ども向けに制作されたものであるかどうかを申告することがすべてのクリエイターに義務付けられます。
ともありました。
子ども?義務?
何が変わって何をすればいいのか? 少し見ただけでは理解できませんでした。
私も少しですがYouTubeに動画をアップしているので、知る必要があると思い、一度、情報を整理してみようと思いました。
お断り
本記事には間違いがある可能性があります。
説明を分かりやすくするために正確性に欠ける表現がある場合があります。
クリエイター(動画投稿者等)の方は、YouTubeからメールが来ていると思うので、その情報を必ず読んで判断してください。
情報元
YouTubeから来たメールとそこから飛べるリンクがメインとなりますが、見るべき情報は次のようなものになるでしょうか。
- YouTubeから来たメール
- チャンネルまたは動画の視聴者層を設定する(YouTubeヘルプ)
- コンテンツが子ども向けかどうかを判断する(YouTubeヘルプ)
- すべてのクリエイターに向けた重要なお知らせ: COPPA への準拠(YouTube動画:日本語字幕あり)
また、法律(COPPA)について深く知るには次のページも見ると良さそうです。
Complying with COPPA: Frequently Asked Questions(COPPA準拠に関するFAQ:英語サイト)
今回の変更の概要
ざっくりと今回の変更を見ると、こんな感じでしょうか。
- アメリカにCOPPA(児童オンラインプライバシー保護法)という法律がある
- YouTube(Google社)はこれに違反していた。…(*1)
- YouTubeは今後COPPAを守るために、クリエイターに義務を課すことにした。
(*1) Google、YouTubeの児童保護法違反でFTCに1億7000万ドル(約180億円)の和解金 – ITmedia NEWS
今後YouTubeがクリエイターに課す義務というのは、
「コンテンツ(動画・チャンネル)が子供向けかどうか申告しないといけない」
という事です。
COPPAとは
COPPAとはChildren’s Online Privacy Protection Actの略で、日本語だと児童オンラインプライバシー保護法となります。
オンライン(Web)上での児童(子ども)のプライバシーを守るための法律で、アメリカで施行されています。
Web側の人(・サービス)は、勝手に子どもの個人情報を手に入れてはいけないという事。
子ども視点で見ると、Webに対して個人情報を登録してしまわないようにするための法律、と言えるでしょうか。
子どもとは
では、子どもというのは何歳を指しているのでしょう?
コンテンツが子ども向けかどうかを判断する(YouTube ヘルプ)
に次のようにあります。
子どもに該当する年齢: 米国では子どもの年齢は13歳未満と定義されていますが、他の国では子どもの年齢が高く定義されている場合があります。お住まいの国の関連法で子どもがどのように定義されているかを考慮して、上記の要因を適切に検討し、その他ご不明な点については法律の専門家にご相談ください。
COPPAはアメリカの法律なのでCOPPAの事を考えれば13歳未満(12歳以下)が子どもの定義となります。
先に挙げた公式動画の字幕には「COPPAはお住まいの地域に関係なく適用される点にご注意ください」とあります。
日本で動画をアップしてるから自分には関係ないとは言えなさそうですね。
子ども向けとは
次に、子ども向けのコンテンツとは何を指すのでしょうか?
コンテンツが子ども向けかどうかを判断する(YouTube ヘルプ)
にたくさん書かれています。ですが、
子ども向けに制作されたとみなされるコンテンツ(子ども向けコンテンツ)に関する指針を以下に示しますが、YouTubeは法律上の助言を行うことはできません。動画がこの基準を満たしているかどうか不明な場合は、法律の専門家に相談することをおすすめします。
とあるように、法律に関わる事なのであくまでも指針というYouTubeのスタンスです。
この指針をざっくりまとめると、こういうコンテンツ(動画・チャンネル)が「子ども向け」とみなされそうです。
- 子ども向けに作ったもの
- (子ども向けに作ったわけじゃなくても)子どもが見そうな・好きそうなもの
- (一見子どもが見そうでなくても)実際に子どもが見ているもの
判断が難しそうな部分ですね😟
いつまでに設定する必要がある?
「子ども向け」設定はいつまでにする必要があるでしょうか?
メールには、
「本日より(中略)すべてのクリエイターに義務付けられます。」とあり
「来年1月以降、子ども向けコンテンツからYouTubeが収集するデータを制限します。」とありました。
なるべく早く設定したほうが良さそうですね。
正しく設定しないとどうなる?
チャンネルまたは動画の視聴者層を設定する(YouTubeヘルプ)
の「よくある質問」→「動画の視聴者を誤って設定してしまった場合はどうなりますか?」にはこういう内容が書かれています。
- COPPAやその他の関連法に基づいて法的措置が取られることもある
- YouTubeでなんらかの措置が講じられる可能性がある
明らかな子ども向け動画を子ども向けじゃないと設定するなど悪質な場合はもしかしたらYouTubeアカウントを停止される可能性もあるかもしれませんね。
直接COPPAにひっかかって措置がされる可能性も書かれています。
「子ども向け」設定の影響
コンテンツを「子ども向け」に設定することによるクリエイターや視聴者への影響は何があるでしょうか?。
チャンネルまたは動画の視聴者層を設定する(YouTubeヘルプ)
の「コンテンツを子ども向けとして設定するとどうなりますか?」を見てみましょう。
「特に重要」とあるのは、
「子ども向けコンテンツではパーソナライズド広告が掲載されなくなる」という点です。
この事により「コンテンツを子ども向けとして設定した一部のクリエイターにとって収入が減少する可能性があります」とあります。
それ以外で、視聴者としては次のようなものが制限されることがあるようです。
(一部抜粋します)
■動画
・コメント
・再生リストに保存
■ライブ配信
・チャット
・スーパーチャット
子どもがYouTubeに対して登録系の操作ができないように制限する感じでしょうか。
パーソナライズド広告とは
子ども向けコンテンツで表示されなくなるパーソナライズド広告とは何でしょう?
パーソナライズド広告とは、ユーザー(広告を見る人)のデータをもとに、ユーザーに関連性の高い内容の広告を表示する方法です。
YouTube(やGoogle)がユーザーから収集した情報(具体的に何なのかは分かりません)をもとにユーザーが興味を持ちそうな広告を出すという事だと思います。
YouTube.com の子供向けコンテンツに関して今後予定されている変更点(YouTubeヘルプ)によると、
「子ども向け」に設定したコンテンツでもパーソナライズされていない広告(ユーザーデータではなくコンテンツに基づいて表示される広告)は引き続き表示されるようです。
「子ども向け」動画に広告が表示されなくなるという事ではなさそうですね。
設定方法
実際の「子ども向け」設定の方法も見てみます。
チャンネルまたは動画の視聴者層を設定する(YouTubeヘルプ)に詳しく書いてありますが、PCの場合を簡単に書くと下記のようになります。
■チャンネルの設定
YouTube Studio(studio.youtube.com) にログイン。
「設定」→「チャンネル」→「詳細設定」→「視聴者」で設定。
チャンネルの設定で「はい」か「いいえ」に設定すれば、一応全ての(アップ済の)動画の設定を行ったことになりますね。
■動画単位の設定
動画のアップロード時やアップロード後の設定に「視聴者」という設定項目があり、ここで設定できます。
動画単位の設定はチャンネルの設定より優先されるようです。
上記の画像がデフォルトの設定ですが、何も設定しないままだと、すべての動画が「未設定」という事になりそうです。
クリエイターは何かしらの設定をする(アクションを取る)必要があるという事になります。
最後に
情報をまとめたつもりですが、分からない事もたくさんあり、人によっては結局どうすればいいの?という答えにはなってないかもしれません。
最終的にはCOPPAがどう執行されるか、とか、YouTubeがクリエイターの「子ども向け」申告をどう見張るのか、という話になって答えが出ない事柄なのかもしれません。
ただ、何もせずに放置しておくというのは明らかに良くないと思うので、クリエイターの人は早めに何らかの設定をしましょう。
以上です!
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